菌の惑星

ペティナイフ考察

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ブレード磨きが終わってヒルトも磨いて準備して

木を削りだしてブックマッチに作って

さあ接着しましょうという段になって

ありゃ?

ずれてる・・・

ヒルトを斜めに設計したからその分ずれちゃったんだな

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気をとりなおしてもう一度最初から木を準備して

平面出しをして段付きボルトで穴ほいで 

さあ今度こそ っていうところで

割れちゃった・・・

うむ

なかなか難産ですなぁ
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念じるのだ 信じるのだ はじめからやり直し いつか必ず出来るはず

ヒルトとの隙間ができないように慎重に調節して

三度目の正直

接着して削って削って削って磨いて磨いて磨いて

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やっと出来た!!

ヒビだらけの端材を買ってきて木取りしているから

こういうこともあるさ

ナイフメイキング用にブックマッチ材って売ってるけど使ったことがない

自分で木取りするのも楽しみの一つだし

ずっと安く作ることができる
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で どうなんだ?ペティナイフの使い心地は!

ん?

なんか使いづらい

まな板にブレードより先に指があたる・・・
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おかしいなと思って和包丁と比べてみる

刃渡りはまったく同じ12cm

ちゃんとブレードが先にまな板にあたるようになっている

「鋭い刃をつけて押し切りで切ってね まな板は柔らかい木を使ってね」

というメッセージが聴こえる
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どうもペティナイフはブレードの背に人差し指を乗せて使うらしい

あれ?

引き切り専門なのか?

不思議に思ってユーチューブで外人がナイフを使っている映像をいろいろ見て驚いた

みんなまな板にガシガシ刃物を当てて使っている

あんなんで刃先は傷まないのか?

しかもまな板には堅そうな木を使っているように見える

「マイ フェイバリット カッティングボード イズ バンブー」

というシェフもいた

ば ば バンブー???


 ハッとした


ああ研ぎが違うんだ


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あちらはみんなスチール棒でシャシャッとやっている

ノコギリ刃が大きいから押し切りではきれいに切れない

刃をダイナミックに滑らすような動きで切る必要がある

だからグー握りではなくブレードを親指と人差し指で挟んで握っている

そうやって持つとひじの角度があがる

そして肩関節からダイナミックに刃物を動かして切っている

この動きで切ると刃先が効率よく動くから本職の板さんもこういう動きで切っている

けど家庭でそういうふうに切る人は少ないと思う

ハンドルを自然に握って肘を伸ばすだけの押し切りで切るのが普通で

そういうモーションで切れるような刃をつけて そういう刃でも傷まないようなまな板を使っている


台所から聞こえてくる音が東と西で全然違う

日本の台所からは

トストストス と聞きなれた音が聞こえてくる

西洋のキッチンからは

カシュカシュカシュ




ヤスリで研ぐってことは鉄が柔らかいんだ

さすがはチェーンソーのお国だ

僕たちは砥石で研ぐ

刃先も自在に鋭くすることができる


その考え方の違いに気づいた

肉は魚よりも硬い

僕が堅い刃で鋭い刃をつけても一日切ったら刃が持たない

刃が鋭くても油で目詰まりして切れなくなることもある

肉屋さんはスチール棒をよく使う 

肉は刺身では食わないから断面が多少荒れていてもいいんだ

だから途中で刃を荒らしながら切る

そのほうが仕事が早い


魚はそうはいかない

身が柔らかいし断面が美しくないと口に入れてざらざら不快な感じがする

途中で研ぐわけにはいかない 砥石で研ぐのは時間もかかるし鉄臭くなる

そのための「刃」で「研ぎ」でそれに適した「板」が必須になる

ああ

そいういうことなんだ

生きるために食う

食うために切る

哲学が東西違った方向からアプローチをしているのか

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洋包丁のブレードの形状が円弧を描いているのは刃がまな板に当たった時に

くるりと受け身をとるような感じで包丁に対する板のあたりがやさしい

刃が直線に近い和包丁はブレードがいっぺんに板に当たるから硬いまな板を使うとカツッとなる

カッティングボードが硬いのはそいうこともあるんだろう

硬い材質でやたらと張り合わせのものが多いのはソリを嫌ってのことだろう

反ったまな板は使いづらい

鋼が硬く直線的なシェイプの和包丁は柔らかくあたりがやさしい着地面を求めている

反ってしまった板はカンナで削って直せばいい という発想で

そういう思想は包丁の柄の部分にも表れている

木は鉄より先に腐るから柄だけが簡単に交換できる構造になっている

フルタングの柄もカッティングボードも修理を前提に考えていない

直さないでよいように丈夫にできている

ああ

なっとく

現代は鋼そのものが進化している

高硬度で靱性も高い刃物を微粒子のコンパウンドで磨くなんていうのは

人類史上いままでどこにもなかった新しい世界なんだな



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by kuhgzagza | 2017-03-04 06:50 | 狩猟